あんず飴

ジャニーズ、好きなことを好きなだけ

ブエノスアイレス午前零時

この舞台は私にとって劇団四季ライオン・キングに次ぐ観劇で、チケットをとるのにずいぶん悩んだ。
自分で買うのは初めてだし、バイトもしていない学生にとって一万円はぽっと出せる金額ではない。さらに今年度は受験生である。

それでも、せっかく今年に入ってからガッツリ好きになったのだから記念にと、えいっと貯金を崩し一般発売日に振り込み、チケットを手にしたのだ。

原作の小説も読み、準備万端。
いざ劇場へ。


結論から言えば、瀧本美織さんがとてつもなくかっこよかった!
某動物園のテレビで見て、おっとりした喋り方のかわいらしいひとだなぁと思っていたのでギャップがすごい。
太い声と柔らかい声の差にもやられた。
ワルツを口ずさみながら楽しそうにくるくる踊るところなんて、とんでもなく可愛かった。結婚してくれ。
もともと好きなのもあるが、もう少しで惚れるところだった。
これからも注目していきたいと思う。


カザマとニコラス。それぞれの最初の台詞を聞いたとき、声色の違いに驚いた。
ミツコの語りによって混乱するカザマ。
徐々にニコラスとの差異が小さくなっていく。
話が進んでいくと、どちら側の話なのかわからなくなっていく。
それが楽しかった。


後半の畳み掛けるような舞台の入れ替わりに目が回りそうだった。心臓がどきどきした。
軸となるのは舞台転換だけでなく、ミツコの歌や一人二役の方の台詞。

ミツコ以外は一人二役で、時代も国境も越えた全く違う二人なのに、時に二人は重なり、全く同じ台詞を吐きその人を軸に舞台が回転する。そのあまりの目まぐるしさにカザマと同様に観客も混乱する。

その混乱を体験をできただけでも一万円払っただけの甲斐があった。幸せ。

音楽ももちろん素晴らしかったが、印象的だったのが照明だった。
専門的なことはわからないし、舞台も全然観たことがないのでうまく言葉にはできないが、ハッと心がうたれるシーンが多かった。
後半のシーンの、剛くんだけにスポットを当て、徐々に絞られていってだんだん消えていくところが特に印象的だった。

剛くんは思っていた以上に体が薄く、脚が長かった。
怒鳴り声がとても格好良かったしソロダンスもなめらかですごく素敵だった。体重のかけかたが好き。

剛くん目当てで行った舞台だったけれど、物語自体がすごく好みで、かつ出演者の皆さんが本当に素敵でどこを見ていいのか迷ってしまった。キャラクターひとりひとりに味があって、とても面白かった。あんまり幸せなことだったのでうま
く言葉にできないのが歯がゆい。


この作品を生で観られてよかった。
これからもっと色々な舞台を観に行ってみようと思えた。
本当に幸せな三時間弱だった。
映像化したときは必ず買う!